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NET&COM 2007、基調講演レポート「顧客中心主義とCCCのIT戦略」

基調講演IT戦略Web 2.0

2007/2/7 20:00

カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長 増田 宗昭氏がTSUTAYAのIT戦略について語る

東京ビッグサイトにて2月7日から2月9日までの3日間にわたって開催されているNET&COM 2007において、最初の基調講演としてビデオレンタル店TSUTAYAを手がけるカルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長の増田 宗昭氏が壇上に立った。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長 増田 宗昭氏

カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長 増田 宗昭氏

まずIT戦略の一例として、日本各地に出店を続けているTSUTAYAの戦略基盤である、地図情報と組み合わせた独自の会員状況把握システムを紹介。これは各地域をブロックごとに分け、それぞれの人口に対する会員数をビジュアル表示することで、どこがまだ未開拓のゾーンであるかを一目で理解できるものだ。

導入前は、出店した際に顧客層が重なりがちな地域にある店舗同士が牽制しあうこともあったようだが、このツールを導入したことでお互いの客層が重ならないことを確認した上で広告展開をはじめとした良い意味での競争が生まれたという。

またフランチャイズ内でのWeb 2.0的な取り組みとして、各店舗のスタッフがちょっとしたアイデアや提案を行うシステムを導入している。キーワードによる検索や提案に対する評価システムと組み合わせることでノウハウの共有化をはかっているという。こういったノウハウの共有こそが、事業のサポートとして大いに役立っているとのこと。

さらに顧客に対しては、近年のテレビや新聞広告からの流入の減少に対し、インターネットやメール使用者数の高まりに着目し、いちはやくメールによる情報配信やネット販売を導入した事例を紹介。自社で行ったアンケートを基に、今後はメールを活用することが事業を成功させる1つのポイントであると語った。

今後はこれらの経験を基にして、Tカードによる企業通貨・提携企業との連携を深め、様々なビジネスを組み合わせて行くことが顧客に応えることであり、各企業の魅力・価値を高めていく手段となるだろうと締めくくった。

TSUTAYA、TSUTAYA online、TSUTAYA DISCAS、Tカードなど、様々なビジネスとその戦略によって現在約2,000万人の会員を抱えるまでに成長した企業が、どのようにITを導入しているかは、NET&COM 2007の来場者にとっても非常に関心が高かったのだろう。非常に多くの観客がつめかけ、その講演を熱心に聴いていた。

問い合わせ先

NET&COM 2007公式サイト

URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/netcom/index.html

(ThinkIT編集局  神保 暢雄)