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日本ヒューレット・パッカード株式会社
レッドハット株式会社
日本ヒューレット・パッカードとレッドハット、オープンソース&Linuxテクノロジー・フォーラム2.0開催
2006/4/12
オープンソースの最新技術動向
2006年4月12日、日本ヒューレット・パッカードとレッドハットは「オープンソース&Linuxテクノロジー・フォーラム2.0」を開催した。本フォーラムはオープンソースソフトウェア(OSS)の最新技術動向についてフォーカスした内容で、当初予定していた人数を超えた来場者があり、関心の高さが伺える。
レッドハット株式会社 代表取締役社長 藤田祐治氏は、LinuxをはじめとしたOSSの普及は目覚しいものがあり、今後エンタープライズシステムに導入されていく段階に入ったと語る。
レッドハット株式会社代表取締役社長 藤田祐治氏
続いて日本ヒューレットパッカード株式会社専務執行役員 吉田雅彦氏は、オープンソースビジネスは前年度に比べて50%の伸びをみせていると語る。HPのデータでは、Linuxに関するビジネスでは300%の伸びがあったという。
日本ヒューレットパッカード株式会社専務執行役員 吉田雅彦氏
このように企業システムにおけるOSSビジネスは、OSの段階からミドルウェアの段階にシフトしており、本フォーラムは今後のOSSの隆盛を見据えたものであるといえるだろう。
オープンソースとの共生
次にHPのOpen Source & Linux CTO(Chief Technology Officer)のBdale Garbee氏(Debianプロジェクトの初期からの参加者で、リーダーでもある)が「コミュニティ・モデルの利益を享受するには」と題した講演を行った。
HP Bdale Garbee氏
ここではHPにおけるOSSの取り組みの例として、全社的なOSSの活用をあげた。Web閲覧やメール送信、チャットなどを使用する場合は、OSSとLinuxを利用するという。
またHPとしても、OSSのコミュニティのメンバーとして参加し、コミュニティの価値を高めていきたいと語る。実際に、HPにはOSS開発者が2,500人以上、OSSの実装およびサポートを行うエンジニアが6,500人以上いるそうだ。
これらの活動を通して、HPはOSSと共生していくことをGarbee氏は強調する。そのためにも、エンタープライズ領域でも安心して使うことができるOSSのサービスを提供していきたいという。すでにHPでは実際にOSSが組み込まれた製品が150以上出荷されており、今後も増えていくそうだ。
エンタープライズアプリケーション構築のすべてをOSSで実現したい
引き続きRed HatのPartner Development ManagerであるHarish Pillay氏が壇上にあがり、Red Hatとコミュニティの関わりや、Linuxのソースコードのコミットの割合について語った。Linux kernelへのコミットでは、レッドハットが占める割合は11.43%であるという。
Red Hat Harish Pillay氏
OSSの利点としてPillay氏は「最もよい成果物が残ること」を強調する。例えば、同じような動きをするソフトウェアでもソースコードレベルで評価できるため、よりよい手法がそのまま残っていくという利点があげられる。また将来的に、新たな方向性が生まれた際には、無理にまとめる必要がなく、プロジェクトを2つに分けることで対応できる。
氏は今後のビジョンとして、エンタープライズのシステム構築をすべてOSSで構築していきたいと強調した。またこれからのキーワードは、「仮想化」「セキュリティ」「マネジメント」であると語った。
Seasar2 VS Spring、パフォーマンスはSeasar2に軍配
電通国際情報サービスの比嘉康雄氏とアークシステムの本間宏崇氏による「パフォーマンス徹底比較!! Seasar2 VS Spring」の講演が行われた。
Seasar2とSpringの機能や構造の比較は、これまで数多く解説されている。このフォーラムにおいては様々なシミュレーションによるパフォーマンスを比較した結果が公開された。
これは様々な条件でベンチマークテストをしており、最も大きな差では300倍ほどSeasar2が優れているという結果が出ている。このデータに関する詳しい内容については、後日Seasarファウンデーション(
http://www.seasar.org/
)に掲載予定である。
次にHPの水野氏は「MySQLとHP Serviceguard for Linuxによるクラスタ構築方法とバックアップ&リカバリ」について解説をした。事例が少ないのだが、今後HPとしてはMySQL注力していき、サポートも行う予定であるという。
野村総合研究所の梶山氏は、OSSの次世代IT基盤として「OpenStandia」を紹介した。これはオープンソースによる開発基盤として、導入からチューニングなどのサポートを提供するソリューションである。あわせて事例としてセブンドリーム・ドットコムを紹介し、OSSの活用によって5年分のコストが1億円以上削減できたという。
参考
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
レッドハット株式会社
http://www.jp.redhat.com/