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ITコンサルタントへのキャリアポイント
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   読者の皆さん、こんにちは。テクノブレーンの武井です。テクノブレーンでは、IT業界に特化したキャリア相談を行っております。入社以来、様々なエンジニアの方々を中心にお会いしてきました。

   エンジニアの方であれば、「ITコンサルタントとは何をしてるのだろうか?」と、一度は考えたことがあると思います。そこで、今回は「ITコンサルタント」を希望する方に対して、自身のキャリアを考えられるような情報収集のポイントをお伝えします。

   今回、事例としてあげるのは、年齢は20代後半のアプリケーション分野でサブ・リーダークラスのSIerですが、今後は顧客との要件定義の部分を深め、上位工程を担う「ITコンサルタント」のポジションを希望しています。今回はこの方のキャリア相談における「ITコンサルタント」へのキャリアポイントをご紹介します。

   キャリア相談の経験上、このような方は現在の職場でも会社側からある程度の評価を得ており、市場のリサーチはそこそこあるのです。しかし、希望する「ITコンサルタント」の仕事スタイルは、かなり単純なイメージで理解しています。

ITコンサルタント→ITを担うプロジェクトマネージャー/システム最適化を企画する提案者

   流石はエンジニア。専門職がゆえ、周囲の情報に疎い環境なのかと思わせる表現もありました。「ITコンサルタント」=「上流」ということでしょうか。悪くはありませんが、余りにも単純すぎる理解です。決して間違いではありませんし、上司・先輩・同僚が同じ表現をしているからでしょう。

   以前であれば、ITコンサルタントとIT技術者との違いは理解できうる範囲で区分けされていましたが、ここ数年のIT業界は「業務」と「技術」の両面から顧客支援を行うサービスが一般的になり、戦略コンサルタント企業や金融系シンクタンク企業などでも、情報工学系の新卒採用やIT業界出身者の中途採用数を増やし、ITサービスの組織編成と拡充を続けているため、このような混乱が生まれしまったのです。

   知名度の高い企業は、他社との差別化とサービス品質の過剰評価を狙い、コンサルタントとつく職種を氾濫するぐらいに利用しているように思えます。

   「技術」と「業務」の間を取り持つような業務を行うのが「ITコンサルタント」ですが、一言では理解し難い職種です。各企業の現場環境によって、様々な仕事スタイルがあり、仕事ぶりは思っているほど安易なものではなかったりします。


「SIer企業のITコンサルタント」と「コンサルタントファーム企業のITコンサルタント」の違いとは?

   今回のキャリア相談のポイント例として、「某大手SIer」と「某大手コンサルファーム」の「ITコンサルタント」のスタイルの違いを表します。

ITコンサルタント職の比較
図1:ITコンサルタント職の比較

   視点は、「業務改善からITを企画ソリューション」するのか、「システムの最適化から業務をソリューション」かの違いです。その違いから、IT情報室担当者とITを模索する経営側との立場の方との要件定義が区別されます。

   この2社のどちらが、本当の「ITコンサルタント」かと断定はできません。顧客側の要望により、様々な立場に移り変わるからです。

   「ITコンサルタント」の職業を理解するうえでは、図1が最低限必要な知識であり、今後のキャリアを明確にさせるポイントかと思います。

   ただ実際のWeb採用案件の記載事項は、どれもがほとんど一緒でした。図1のようによく比較すれば、担うポジションと仕事のスタイルは違うものであり、キャリアの思考が見合わないこともよくありますので、再認識する必要があります。

   現在のIT業界では、汎用的に使用されている職種表現であることが多いので、採用情報も良い表現ばかりです。面接時のキャリアの考え方、志向に関してのギャップがでて、不採用になる恐れもあります。

   まずは、ご自身で保有してきたスキルにより「ITコンサルタト」として市場価値を感じる取るために、次の要点から情報収集することがよろしいかと思います。

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テクノブレーン株式会社 武井 一孝氏
プロフィール
テクノブレーン株式会社  武井 一孝氏
1973年生まれ。大手食品メーカー、出版社で営業企画、マーケティングを担当。そこで培った情報収集/分析力を生かし、キャリアプラン事例のデータをもとに市場動向の激しいIT業界のSEやITコンサルタントへのキャリア支援コンサルティングを行っている。