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Linuxオープンソース白書2006
実態調査で見るユーザー企業の利用動向

第4回:技術者教育
著者:矢野経済研究所  入谷 光浩   2005/9/29
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問題点や課題

ThinkIT会員特典20%OFF    Linuxサーバーを導入することで浮かび上がった問題や課題としては、「管理できる人材が不足している」が63.5%と極めて高い数値になった。これは深刻な問題になっている。「ベンダーやSIerのサポートが不十分」や「対応するアプリケーションが少ない」という問題も以前から指摘されていたが、それぞれ20%未満にとどまっており解消されつつある。

Linuxサーバーを導入したうえでの問題点や課題[全体](複数回答) N=230
図1:Linuxサーバーを導入したうえでの問題点や課題[全体](複数回答) N=230
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   したがって、現状ではスキルのある管理者が不足しているという問題一本に絞られていると言っても過言ではない。また、「現状では特に問題・課題は感じられない」という回答も約4分の1を占めており、Linuxの信頼性が随分と高まってきている印象を受ける。


課題多いLinux技術者の育成
資格の取得は1割ほど

   企業の情報システム部門において、Linuxサーバーの管理をしている担当者の人員割合は平均7.2%となる。これは全体の1割にも満たない。公共やサービス業では平均の2倍となる約15%になっているが、逆に金融・保険業では1.5%と極めて少ない。

情報システム部門におけるLinuxサーバー担当者の人員割合[全体平均] N=585
図2:情報システム部門におけるLinuxサーバー担当者の人員割合[全体平均] N=585

   これまでLinuxの大きな課題として、スキルのある人材が不足しているということが示されてきた。では実際、企業ではLinux技術者の育成をどのように行っているかというと、「現状では特に行っていない」が74%も占めている。自社では何もしていないという現状がよく分かる。何らかの教育をしている場合でも、「Linux関連の雑誌や書籍を購入」や「社外の無償セミナーや講習会へ参加させている」など、企業が積極的に教育している姿勢はあまり見られない。

図3:Linux技術者のための教育・トレーニング方法[全体](複数回答) N=605
図3:Linux技術者のための教育・トレーニング方法[全体](複数回答) N=605
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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書籍紹介
「Linuxオープンソース白書2006
新たな産業競争力を生む、オープンソース時代の幕開け」

※本連載はインプレスより発行の書籍「Linuxオープンソース白書2006」(ThinkIT監修)から一部抜粋し、転載したものです。
Linuxオープンソース白書 2006
■本書の構成
第1部のユーザー企業利用動向では、605社の情報システム管理者に聞いた独自調査データ177点を掲載。プレゼン用に、すべてのデータをCD-ROMに収録。
第2部の事業者動向では現在から将来のLinuxオープンソースビジネスを解説。
第3部の社会動向ではオープンソースの普及に向けて、教育や法律、そして世界各国の政府から地方自治体の取り組みまでを紹介。
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INDEX
第4回:技術者教育
問題点や課題
  認知しているLinux認定資格やベンダー資格