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Linuxオープンソース白書2006
基礎知識

オープンソースの基本を理解する
著者:可知 豊   2005/9/30
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はじめに

ThinkIT会員特典20%OFF    オープンソースとは何なのか。その条件は「オープンソースの定義」(注1)として明確化されている。しかし、予備知識なしに読んでも分かりにくい部分も多いだろう。そこで、本稿ではオープンソースの基本を解説する。

注1: The Open Source Definition
http://www.opensource.org/docs/definition.php
オープンソースの定義
http://www.opensource.jp/osd/osd-japanese.html


ソースコードとは何か

   コンピュータはプログラムで動いている。プログラムを開発するには、まず「ソースコード」(Source Code)を記述する。ソースコードは、プログラムの動作をプログラミング言語を用いて記述したものだ。そのために、人間が理解できる形式になっている。ソースコードは、もともと人間が記述したものなので、それを読めばプログラムの動作を理解したり改良したりできる。

   コンピュータは、このソースコードを直接実行するわけではない。ソースコードを解釈して、コンピュータに実行できる形式に変換してから実行するのが一般的だ。この変換は、コンピュータによって行われるが、大規模なアプリケーションでは時間がかかる(図1)。

ソースコードとバイナリーコード
図1:ソースコードとバイナリーコード

   コンピュータが直接実行できる変換されたプログラムを「バイナリーコード」(Binary Code)と呼ぶ。バイナリーコードは、コンピュータが直接実行できるため高速に実行できるという利点がある。ただし、コンピュータが実行できる2進数に変換されているので、どのように動作しているか人間が理解するのは難しい。

ソースコードの特徴
  • 人間が、動作を理解したり改良したりできる
  • これだけではコンピュータは実行できない
バイナリーコードの特徴
  • コンピュータは高速で実行できる
  • 人間が理解するのは手間がかかる

   一般的に、コンピュータで動作するプログラムは、バイナリーコードになっている。WindowsやMicrosoft Officeは、このバイナリーコードで提供されている。そのソースコードはマイクロソフトが持っており、一般の目に触れることはあまりない(注2)。これに対して、オープンソースでは、このソースコードが公開されている。

注2: マイクロソフトは、シェアードソースライセンスプログラムにより、Windowsのソースコードの閲覧を許可している。
http://www.microsoft.com/japan/sharedsource/default.mspx

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書籍紹介
「Linuxオープンソース白書2006
新たな産業競争力を生む、オープンソース時代の幕開け」

※本連載はインプレスより発行の書籍「Linuxオープンソース白書2006」(ThinkIT監修)から一部抜粋し、転載したものです。
Linuxオープンソース白書 2006
■本書の構成
第1部のユーザー企業利用動向では、605社の情報システム管理者に聞いた独自調査データ177点を掲載。プレゼン用に、すべてのデータをCD-ROMに収録。
第2部の事業者動向では現在から将来のLinuxオープンソースビジネスを解説。
第3部の社会動向ではオープンソースの普及に向けて、教育や法律、そして世界各国の政府から地方自治体の取り組みまでを紹介。
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INDEX
オープンソースの基本を理解する
はじめに
  利用と使用を区別する
  コミュニティによるゆるやかな連携