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Ruby on RailsとAdobe AIRでデスクトップアプリを作る |
第3回:Adobe AIRで付箋風クライアントを作ろう
著者:ワイズノット 増井 雄一郎 2007/9/18
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Webアプリケーションでは物足りない
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「第2回:新機能『scaffold_resource』とは?」では、RESTfulを活用したメモアプリケーションを作りました。この付箋を常駐してこそ便利なWebブラウザの中だけでなく、画面上のどこにでも貼れるとしたら非常に便利だと思いませんか?
しかしWebアプリケーションでは、デスクトップ上に付箋を貼ることができません。WebブラウザからJavaScriptを使って新しいウィンドウを開くことはできますが、ウィンドウの枠を消すなどの細かい制御ができないため、付箋のようなインターフェースを作ることができません。
また、WebアプリケーションはWebブラウザを閉じてしまうとすべてのウィンドウが閉じてしまうため、付箋紙のような「常駐してこそ便利な」アプリケーションには向いていません。
そこで、2007年3月にAdobeから発表されたリッチクライアント「Adobe AIR」を使って、付箋を表示するクライアントアプリケーションを作ってみましょう。このAIRは複数のプラットフォームに対応しており、1つのアプリケーションを書くだけでWindowsとMac OS Xの両環境で動かすことができます。
またAIRはまだβ版ながらドキュメントが充実しており、公式では英語版だけですが、有志によって日本語に翻訳されたものも公開されています。
AIRでの開発をはじめる前に、こちらに目を通しておくとよいでしょう。
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JavaScript+HTMLスタイルか、それともFlexスタイルか
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Adobe AIRは、主に2つの開発スタイルを持っています。
1つはHTMLとJavaScriptを使った開発環境です。この環境は通常のWebブラウザと同一で、内部では「WebKit」というエンジンが利用されています。このWebKitはMac OS X標準のWebブラウザ「Safari」でも使われています。この環境を使うことでAjax用のライブラリやノウハウの多くがそのまま活用できます。
もう1つは、FlexやFlashで使われているActionScriptを使う開発環境です。GUI部分の構築には、Flexで使われている「MXML(Macromedia Flex Markup Language)」という記述言語を利用します。
AIRでアプリケーションを作る場合、HTML+JavaScriptを使った開発スタイルのほうが「はじめやすい」という面があります。これは、多くのWebプログラマが普段なじんでいる技術で開発をはじめられるためです。
しかしWebブラウザの枠を越え、ウィンドウのスタイルをはじめとした細かい処理を行う際には、もともと細かい設定が可能なFlexスタイルの方が自由度が高くなります。そこで今回は、Flexスタイルを使って付箋風クライアントを作成していきます。
なお現在、AIRはβ1の段階なので細かい設定にはFlexスタイルが向いているのですが、今後HTML+JavaScriptでもこういった設定が行えるライブラリなどがリリースされていくと思われます。
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著者プロフィール
株式会社ワイズノット 増井 雄一郎
PukiWikiなどのオープンソース活動を経て、2005年からRuby on Railsに的を絞り、2006年はRubyに関する仕事のみで生計をたてる。これまでのフリー活動から転身し、アメリカ行きを目指して2007年4月に(株)ワイズノットに入社。クロスメディア事業部でSaaSプラットフォームの構築に従事。現在の興味はテキストマイニング。
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