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仮想化技術 完全攻略ガイド
Virtual Server 2005 R2で次期Windows Server環境を試す

第5回:評価環境の構築
著者:慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生  小野 雄太郎
2006/11/20
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次世代OS評価環境の構築

   ここからは、Virtual Serverを活用して、次世代OSであるLonghorn Server(コードネーム)とWindows VistaのBeta版を元に、評価環境をバーチャルマシンとして構築していきます。Virtual Serverを利用することで、既存のシステムやネットワークに影響を与えずにOSの評価を行えます。

Longhorn Server&Windows Vista

   Longhorn ServerはWindows Server 2003のメジャーバージョンアップとなる、次世代サーバーOSです。数々の新機能やサービス、IPv6ネイティブサポートなど、次世代サーバーOSとして大きく進化しています。またWindows Vistaも次世代のクライアントOSとして、新しいGUIであるAeroをはじめ、多数の拡張が施されています(図19)。

Windows Vista
図19:Windows Vista
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   Virtual Server上でこれらの次世代OSのBeta版を動作させ、いち早く新しいPC環境を評価して導入に備えることができます。Virtual Serverでは、提供される仮想VGAデバイスが最新のグラフィックスに対応しないため、VistaのAeroには対応できませんが、その他の機能を評価するには問題ない環境を提供しています。


構築する構成

   ここでご紹介する構成は、仮想的な小規模イントラネットシステムをLonghorn ServerとWindowsVistaで実現します。Longhorn ServerではActive Directoryを提供し、Vistaをドメインクライアントとして追加する手順を解説します。


Longhorn Serverを評価する

   では実際にLonghorn ServerをVirtual Serverのバーチャルマシンとしてインストールしていきます。それには、最初にバーチャルマシンとなるインスタンスの構成を作成し、そのバーチャルマシンにLonghorn Serverをインストールします。


インスタンス作成

   バーチャルマシンの構成を作成するには、Web管理コンソールのメニューから「バーチャルマシン」-「作成」を選択します(図20)。

バーチャルマシンを作成
図20:バーチャルマシンを作成

   続いてバーチャルマシンを識別する名前や、メモリとバーチャルハードディスクの割当量、接続するバーチャルネットワークなどを指定します。ここではバーチャルマシン名に「Longhorn Server」を、接続するバーチャルネットワークに外部と接続がない「内部ネットワーク」を指定して作成します(図21)。

バーチャルマシンの構成を指定
図21:バーチャルマシンの構成を指定
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   無事にバーチャルマシンの構成を作成したら、早速Longhorn Serverをインストールしていきます(図22)。

バーチャルマシンが作成された
図22:バーチャルマシンが作成された
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生 小野 雄太郎
著者プロフィール
慶應義塾大学環境情報学部(SFC)学部生   小野 雄太郎
Microsoft MVP for Windows Server - Networking, Jan 2004 - Jan 2007.
1982年生まれ。エンタープライズネットワークやIPv6といったネットワーク技術のほか、Windows Server Systemの設計や運用などを独学で習得。幅広い分野をひとりでカバーする。MCSEをはじめCCDA/CCNAといったベンダー資格も多数保有する。2004年より慶應義塾大学に在籍中。


INDEX
第5回:評価環境の構築
次世代OS評価環境の構築
  OSのインストール