現在、SUSE LINUXは企業向けのLinuxディストリビューションとして、サーバ版の「SUSE Linux Enterprise Server」とデスクトップ版の「SUSE Linux Enterprise Desktop」の2種類のラインナップを持っており、2006年11月時点の最新バージョンは10となっている。
SUSE LINUXはRed Hat Enterprise Linuxと同様に、高い技術による高品質のパッケージと十分なサポートを武器に、エンタープライズ市場で有力なディストリビューションの1つとなっている。
バイナリパッケージにRed Hat Enterprise Linuxと同じRPM形式を採用しているものの、共通点はそれほど多くない。Red Hat Enterprise Linuxのパッケージは比較的落ち着いたバージョンをベースに構成されているが、これに対してSUSE LINUXは新しい技術やバージョン、さらに非オープンソースライセンスのソフトウェアを積極的に取り入れている。
このほか、ファイルシステムに「ReiserFS」を、セキュリティ面で「AppArmor」をそれぞれ採用していることや、サーバ分野に強いといわれるRed Hat Enterprise Linuxに対して、個人向けのデスクトップに力を入れているなど、多くの面でSUSE LINUXはRed Hat Enterprise Linuxとは一線を画すディストリビューションとなっている。