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今こそ再考するアジャイル開発
第5回:プロジェクトマネジメントに活かす
著者:
日本コンピューター・システム 新保 康夫
アッズーリ 濱 勝巳
2006/10/10
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エクストリーム・プログラミングに学ぶ
前回は、アジャイル開発を導入する上でのポイントについてお話をしましたが、今回はエクストリームプログラミング(XP)の方法が従来システム開発におけるプロジェクトマネジメントにも十分に有効であるということを解説します。
プラクティスを見てみよう
まずはXPのプラクティスを、品質やコストといった観点からプロジェクトマネジメントとどのように関係しているか見てみることにしましょう。
図1:プラクティスとプロジェクトマネジメントの適応例
出典:NCS CBD&XP研究会セミナー資料
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
図1は、XPのプラクティスの何が効くのかを線で結んだものです。品質/コスト/納期/生産性/コミュニケーションをそのカテゴリとしています(注1)。これを見るとプラクティスは複数のカテゴリに対してその要素となり、カテゴリも複数のプラクティスを要素として必要となっています。
※注1:
この分類は、NCS CBD&XP研究会において独断で判断した例です。
ただし、これらのプラクティスとカテゴリの関係線はプロジェクトの特性により結ばれるものですので、一度、自分のプロジェクトで関係線を引いてみてみるのも良いと思います。
システム開発を行うときには、プロダクト/プロセス/プロジェクトの3つからプラクティスを考えなければなりません。そして、それらの品質/コスト/タイム(含む納期)の観点でそれぞれを見ていくことが重要になります。
XPの何をプロジェクトに適用するか
XPのプラクティスをはじめとするいろいろな方法は、プロダクト/プロセス/プロジェクトの品質/コスト/タイムに効くのではないでしょうか。
ここでは、従来のシステム開発でプロジェクトマネジメントをする上で活用できそうなものとして、次の4つの方法(含むプラクティス)にフォーカスをあててみることにしましょう。
ストーリーカード
タスクカード
ペアプログラミング
テストファースト
表1:従来のシステム開発にも使えるXPの方法
他の方法やプラクティスもプロジェクトへの適用は十分可能ですし、大きな成果を得ることもできます。
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著者プロフィール
日本コンピューター・システム株式会社
新保 康夫(しんぼ やすを)
本部企画室 コンサルタント、ITコーディネータ/ITCインストラクタ、システム監査技術者。
1975年 日本コンピューター・システムに入社。システム開発に従事し、プロジェクトマネージャを経て現在、コンサルタント業務に従事する。コンポーネントベース開発やアジャイル開発にも関与する。
「ソフトウェアプロセスレベルを向上させるCMMI活用術〜ソフトウェア開発の品格」をThinkITにて掲載。
有限会社アッズーリ
濱 勝巳(はま かつみ)
(有)アッズーリ 取締役社長。メーカ系ソフトウェア会社でファームウェアのプログラマを経て、フリーのエンジニアとして独立し、1999年に有限会社アッズーリを設立。オブジェクト指向、アジャイルプロセスを利用したエンタープライズアプリケーションを開発に従事し、現在は経営やプロジェクトマネジメントの視点でアジャイルプロセスを見つめ、情報システムベンダのあるべき姿を追求している。2003年よりアジャイルプロセス協議会副会長。
INDEX
第5回:プロジェクトマネジメントに活かす
エクストリーム・プログラミングに学ぶ
この方法はプロジェクトに使える
ペアプログラミング 〜トラブルプロジェクトへの対策