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VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント

著者:デル   2006/8/14
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ESX Server 2.5.1ソフトウェアのインストール

   今回はデルのサーバにESX Server 2.5.1ソフトウェアをインストールする際、配慮すべきガイドラインを示します。

   ESX Server 2.5.1ソフトウェアの詳細なインストール手順と要件については、VMware社が提供する「ESX Server 2.5.1 Installation Guide」をご参照ください。このガイドは、製品のインストールCDに収録されています。また、以下のWebサイトからも入手できます。

※注1: ESX Server 2.5.1ソフトウェアがサポートするのは、VirtualCenter 1.2のみです。現在、VirtualCenterを使ってESX Serverシステムを管理している場合は、ESX Server 2.5.1へのアップグレードを始める前に、まず、VirtualCenterのバージョンを1.2にアップグレードしてください。


インストール前の計画

   ESX Serverソフトウェアのインストールでは、計画段階が非常に重視されます。インストール計画を入念に練れば構成が合理化され、将来チューニングする労力も減らせます。インストールに先立ち、次の点を確認するようにしてください。

  1. ESX Serverをインストールするシステムで、いくつのVMを実行するのか決めます。また、それぞれのVMでどれくらいのワークロードを処理させるのか決定します。
  2. 各VMに必要なリソースを見積ります。たとえば、CPUの要件、メモリ容量、NIC数などを検討します。このようなサイジング情報については、以下のURLに掲載されているサイジング・ガイドラインをご参照ください。
    http://www.dell.com/vmware
  3. サービス・コンソールに必要なリソースを見積ります。
  4. 特にリソースが優先されるVMには、専用のリソースを割り当てます(たとえば、ファイル・サーバには専用のNICを確保するなど)。
  5. IPアドレス、ネットワーク・マスク、ゲートウェイ・アドレスなどの必要なネットワーク情報を収集します。
  6. ローカル・ディスクで最適だと思われるパーティション構造を検討します(ディスクのパーティションについては、下記の推奨事項をご参照ください)。

表1:インストール前に注意すべき点


SAN経由の起動

   ESX Server 2.5.1は、SANからのブートをサポートします。SANからのブートを可能にするESXの構成方法については、以下のURLに掲載されているDell/VMwareリソースセンターをご参照ください。



VirtualCenter

   現在、VirtualCenterを使ってESX Serverシステムを管理している場合、まず、VirtualCenterのバージョンを1.2にアップグレードしてから、ESX Serverシステムを2.5.1にアップグレードしてください。


RAID構成

   ESX Serverソフトウェアのインストールを始める前にディスク構成を調べ、要件に沿ったRAID構造となっているか確認します。搭載しているローカル・ディスクの台数に応じて、一番高いレベルのRAIDを採用してください。

   たとえばディスク数が2台の場合、RAID 1を採用します。ディスク数が3台以上の場合、RAID 5を採用すれば性能向上が図れます。RAID 0は、データに冗長性がない(フォルトトレランスが提供できない)ため、お勧めしません。


サービス・コンソールの構成

   デバイスを割り当てるとき、サービス・コンソール用のメモリも確保します。サービス・コンソール向けに確保するメモリ量は、ESX Serverシステムで稼動するVM数によって決まります。

   OpenManageをインストールする場合、サービス・コンソールにより多くのメモリを割り当てるようお勧めします(目安として、当初のメモリ量より128MB前後増やします)。サービス・コンソール専用に割り当てたメモリ量は、いつでも変更することができますが、ESXServerシステムをリブートする必要があります。


推奨するローカル・ディスクのパーティション構造

   表2は、ESX Serverシステムで推奨するローカル・ディスクのパーティション構造を示しています。

マウント・ポイント タイプ 推奨サイズ 用途
/boot ext3 50MB ブート・カーネル・イメージの保存
swap swap 1GB サービス・コンソール専用のスワップ領域。ESX Serverソフトウェア用の
スワップ・ファイルとは異なる
/ ext3 4GB サービス・コンソールと
ESX Serverカーネルの保存
/vmimages ext3 10GB以上 ISOイメージ・ファイルと、
テンプレート形式でエクスポートした
仮想ディスク・イメージの保存
/home ext3 2GB それぞれの仮想マシンに
対応した構成ファイルの保存
(なし) vmkcore 102MB VMkernel用コア・ダンプ・ファイルの保存
(なし) vmfs2 残りの領域 仮想マシン用ディスク・ファイルの保存

表2:VMware ESX Serverシステムで推奨されるディスク・パーティション

   ESX Serverシステムをインストールするときは、「Manual Partitioning」(手動のパーティション設定)オプションを選択し、表2の推奨内容に従ってローカル・ディスクのパーティションを作成してください。

※注2: /vmimagesパーティションは、CD-ROMのISO9660イメージだけでなく、テンプレート形式でエクスポートされた仮想ディスクも保存することができます。この領域は、仮想ディスク・イメージの格納先を変えるとき、一時領域または暫定的な退避先として利用することもできます。たとえば、仮想ディスクを一旦このパーティションに移動しておいてから、目的のマシンやストレージ領域にコピーすることが可能です。さらに、仮想ディスクの一時的なバックアップ・コピーを作るときも、この領域が利用できます。

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント
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