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セマンティックWebによる情報統合 〜Web 2.0と情報活用を支えるメタデータ
セマンティックWebによる情報統合 〜Web 2.0と情報活用を支えるメタデータ

第3回:エンタープライズの世界におけるセマンティックWeb
著者:野村総合研究所   田中 達雄   2006/9/1
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はじめに

   「第2回:Web 2.0世界におけるセマンティックWeb」では、インターネット世界(Web 2.0の世界)にセマンティックWebが浸透していく可能性を解説したが、セマンティックWebは、異なるデータフォーマットや語彙を許容したデータ統合を実現する技術であり、エンタープライズの世界でも必要とされる技術である。

   第3回では、いくつかの事例を通じて、エンタープライズの世界におけるセマンティックWebの有効性について解説する。

セマンティックWeb技術適用の変遷

   セマンティックWebは、不完全なWeb(単純なプロトコル、未構造化言語、意味が不明なリンクなど)を完全なものに直すために1998年にティム・バーナーズ・リー氏が提唱した技術だが、すでに不完全なWebは広く普及してしまい、しばらくの間は学術的な研究対象として扱われた。

   学術的な研究としてセマンティックWebを扱った主な団体は、欧州連合委員会配下の「On-To-Knowledgeプロジェクト」と米国国防総省配下の「DAMLプロジェクト」であった。両者とも、オントロジー仕様の策定ならびにいくつかの実証実験を行っている。個別に活動してきた彼らの成果は、「第1回:セマンティックWebとは」で解説したW3Cの仕様として統一されて継続している。

セマンティックWeb推進団体の取り組み
図1:セマンティックWeb推進団体の取り組み
出典:野村総合研究所
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   上記活動の中からフィンランド美術館、スイス生命の実証実験について解説を加えることにする。

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野村総合研究所 田中 達雄
著者プロフィール
株式会社野村総合研究所  田中 達雄
1989年4月に富士通株式会社に入社。ソフトウェア工学を専門分野とし「UMLによるオブジェクト指向開発実践ガイド(技術評論社出版)」を共著。2001年2月に野村総合研究所に入社。現在、情報技術本部にてIT動向の調査と分析を行うITアナリスト集団に所属。Webサービス/BPMなどの統合技術、エンタープライズ・アーキテクチャなどが専門。


INDEX
第3回:エンタープライズの世界におけるセマンティックWeb
はじめに
  フィンランド美術館の実証実験
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