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SQL Server 2005クラスタリング
SQL Server 2005で実現するクラスタリング

第2回:Virtual Serverでクラスタリング環境を構築
著者:イー・キャッシュ  小関 茂徳   2006/7/7
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バーチャルマシンでフェイルオーバークラスタリング

   前回は、フェイルオーバークラスタリングの概要と共に、SQL Server 2005で環境を構築する際の制限事項と利用できる機能について説明しました。今回からは、実際にSQL Server 2005でフェイルオーバークラスタリングを実現するために必要な事前準備について説明します。

   前回でも簡単に触れましたが、SQL Sever 2005におけるフェイルオーバークラスタリングを実現させるには、「Active Directory」と「Microsoft Clustering Services(MSCS)」「複数台のサーバ」が用意されていることが前提条件となっています。

   物理的に複数台のサーバを準備するのは、コストだけでなく時間の面でも非常に多くの労力を費やすことになります。そこで今回は物理的に複数台のサーバを用意せずに、MicrosoftのVirtual Server 2005を利用して仮想的に複数台のサーバを構成し、その環境を用いてSQL Server 2005のフェイルオーバークラスタリングを実現させます。

   この仮想的な環境で、フェイルオーバークラスタリングを実現させる大まかな手順を表1に示します。
サーバ環境の構築
Virtual Server 2005でバーチャルマシンを3つ構成し、1つのバーチャルマシンにWindows 2003 ServerをインストールしてActive Directoryの設定を行います。残り2つのバーチャルマシンにもWindows Server 2003をインストールして、メンバサーバとしてActive Directoryドメインに参加させます。
クラスタ環境の構築
MSCS環境の構築のため、メンバサーバとして設定した2台のバーチャルマシンの設定を同一にします。そして、一方のバーチャルマシン側でクラスタを作成し、もう一方のバーチャルマシンをクラスタノードに追加させます。
SQL Server 2005のインストール
クラスタを構築したバーチャルマシンにSQL Server 2005をインストールします。クラスタノードに参加しているバーチャルマシンには自動でSQL Server 2005がインストールされます。

表1:フェイルオーバークラスタリングの構築手順

   また、クラスタ環境を構築前にいくつかの注意点をあげておきます。

  • 使用するサーバのOSは「Windows Server 2003 Enterprise Edition」または「Windows Server 2003 Datacenter Edition」とする
  • 各サーバに設定するIPアドレスは静的IPアドレスを利用する
  • 起動ディスクとは別に共有ディスク専用のアダプタ(SCSIまたはFiber Channel)を必要とする
  • クラスタを構成するすべてのサーバで2枚以上のネットワークインターフェースカードを必要とする
  • SQL Serverと同居していないActive Directoryのドメインコントローラを必要とする
  • 共有ディスクは、ベーシックディスクとして構成されており、作成されたパーティションすべてNTFSでフォーマットされている必要がある

表2:前提条件・注意点

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イー・キャッシュ 小関 茂徳
著者プロフィール
イー・キャッシュ株式会社  小関 茂徳
ビジネス支援事業部 ビジネスアドミニストレーター
イーキャッシュにて事業化計画から製品化計画、販売戦略までのビジネスデザインを中心として展開している事業に携わっている。2006年度からはRFID関連事業でつちかったプラットフォーム製品の開発技術を活かして、モバイルプラットフォーム分野における仮想マシンの開発や半導体開発とともに新規事業開発提案を推進している。


INDEX
第2回:Virtual Serverでクラスタリング環境を構築
バーチャルマシンでフェイルオーバークラスタリング
  バーチャルマシンの作成とActive Directoryドメインの構築
  Active Directoryメンバサーバの追加手順