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プロジェクト管理と関わり合いが深いCMMI成熟度レベル2
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ソフトウェア開発のプロジェクトを成功に導くためには様々な要因を考慮していかなければなりません。数多くある要因の中でも、プロジェクト管理は誰もが特に重要だと思うものでしょう。
今回はプロジェクト管理と関わり合いが深いCMMI成熟度レベル2の概要について説明し、プロジェクト管理にCMMIをどう活かすかについて解説します。
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CMMI成熟度レベル2の概要
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CMMI成熟度レベル2は「管理されたレベル」であり、このレベルを達成するには第1回目の概要で示したCMMIの成熟度レベル2における7つのプロセス領域を確立することが必要です(表1)。それぞれのプロセスにはゴール(目標)と呼ばれる評定基準が設けられており、成熟度レベルを達成するには全プロセスの共通ゴール(GG2)と固有ゴール(SG)を満足していることが必要です。
成熟度レベル |
成熟度レベルの内容 |
必要なプロセス |
レベル1 初期レベル |
このレベルではプロセスは場当たり的で無秩序です。従ってプロセスは確立されていません。 |
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レベル2 管理されたレベル |
このレベルでは組織はプロジェクト管理がされています。要件が管理され、かつプロセスが計画/実施/測定/制御されています。また必要なプロセスが確立されている必要があります。 |
要件管理、プロジェクト計画策定、プロジェクトの監視と制御、供給者合意管理、測定と分析、プロセスと成果物の品質保証、構成管理 |
レベル3 定義されたレベル |
このレベルでは、組織は標準プロセスの集合をテーラリングしたプロセスに従って管理されています。また必要なプロセスが確立されている必要があります。 |
要件開発、技術解、成果物統合、検証、妥当性確認、組織プロセス重視、組織プロセス定義、組織トレーニング、統合プロジェクト管理、リスク管理、統合チーム編成、統合供給者管理、決定分析と解決、統合のための組織環境 |
レベル4 定量的に管理されたレベル |
このレベルでは、組織は統計的技法およびその他の定量的技法を使用して制御されており、定量的な予測が可能です。また必要なプロセスが確立されている必要があります。 |
組織プロセス実績、定量的プロジェクト管理 |
レベル5 最適化しているレベル |
このレベルではプロセス実績を継続的に改善することに焦点をあてます。また必要なプロセスが確立されている必要があります。 |
組織改革と展開、原因分析と解決 |
表1:成熟度レベル別に必要なプロセス(再掲)
表1の要件管理(REQM:Requirements Management)のSG1は次のように記述されています。
SG1:要件が管理され、プロジェクト計画および作業成果物との不整合が特定されている。
プロセス確立のためにはさらに共通ゴールの満足が必要なので、続いてREQMのGG2を見てみましょう。
GG2:管理されたプロセスを制度化する
(実際にはGG2はREQMだけのものではなく、CMMI成熟度レベル2のすべてのプロセスと共通です)
CMMI成熟度レベル2を達成するためにはゴールを満足させる必要がありますが、ゴールを満足させることについてのアセスメント(評価)はどのようにされるのでしょうか。次に、それらについて解説します。
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CMMIレベル2の具体的なアセスメント方法
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CMMIではゴールに対していくつかのプラクティス(やり方)が実施できていれば、「満足した」とアセスメントされます。具体的にCMMI公式評定(アプレイザル)で「ゴールが満足した」ということは次の場合を指します。
ゴールに対応するすべてのプラクティス(SP・GP、表3参照)が「十分に実施されている」、または「大部分実施されている」と判定される。そして「弱み」がゴールの達成にネガティブなインパクトを与えていない。
表2はCMMI成熟度レベル2として評定される場合のプロファイルと呼ばれるものであり、丸印は満足したことを表しています。それぞれのプロセスの詳細はCMMI日本翻訳版 「http://www.sei.cmu.edu/cmmi/translations/japanese/models/」に記述されています。
表2:レベル2の評定結果ゴール評定プロファイル (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)
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著者プロフィール
日本コンピューター・システム株式会社 新保 康夫(しんぼ やすを)
本部企画室 コンサルタント、ITコーディネータ/ITCインストラクタ、システム監査技術者、ISMS主任審査員資格。
1975年 日本コンピューター・システムに入社。システム開発に従事し、プロジェクトマネージャを経て現在、コンサルタント業務に従事する。コンポーネントベース開発やアジャイル開発にも関与する。
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日本和光コンサルティング(株) 久野 茂(くの しげる)
日本和光コンサルティング(株)代表取締役副社長、ITコーディネータ。日本電気(株)、(株)日本総合研究所に勤務。現在日本和光コンサルティング(株)代表取締役副社長。
1978年徳島大学工学研究科修了、1998年電気通信大学大学院IS研究科博士課程単位取得満期退学。著書に「中国オフショア開発ガイド(共著)」コンピュータエージ社、他 多数。
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