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昔とは明らかに違うシンクライアントの実力
第1回:セキュリティ対策とTCO削減を同時に達成するシンクライアント
著者:
TIS 小林 千恵
2006/10/6
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導入過程の取り組み
当社では導入判断のために、自社で約20種類のシンクライアント製品/技術の調査・比較検討を行いました。それぞれのシンクライアントの持つ特徴により、その性能や業務形態への適合/不適合などがあるからです。比較を行うにあたっては、技術面だけではなく、システムを利用するユーザの視点で実用性・操作性などについても評価しました。
なぜSun Rayか?
当社は、セキュリティ強化、TCO削減の効果を最大化できる製品として、Sun Rayを選択しました。Sun Rayは完全にサーバにリソースを集約しており、端末はモニタとキーボードのみのシステム構成となります。TCO削減の効果の試算を図2に示します。
図2:コスト比較
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
一般的なシンクライアントは、クライアント端末側にOSが搭載されているため、ウイルス感染のリスクがあり、またクライアント管理も残ります。一方、Sun Ray端末は表示、入力機能のみであるため、端末へのウイルス感染は発生せず、データも持ち出すことができません。
またデータ/アプリケーション/ユーザ設定/アクセス制御設定/ログ取得など、すべての情報がサーバで集中管理されるため、利用者によるクライアント管理(セキュリティパッチ適用など)の運用・管理作業を一切なくすことが可能です。
図3:端末が所有する資源の範囲
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
そして、Sun Ray端末は冷却ファンやハードディスクドライブといった可動部品の少ないシンプルな形状だからこそ、消費電力が少なくまた壊れにくいというメリットもあげられます。このことは電力消費量抑制によるCO2排出量の削減やリサイクルコスト低減など、環境改善にも大いに役立つものと期待しています。
一例として、当社の電力費用に関しては、以下のような結果が試算されています。
図4:電力費用の試算
オフィススペースの有効利用に関しても、スマートカード(接触型のICカード)を利用したSun Rayのアーキテクチャにより、クライアント端末の共有が可能となり、効率的な利用が実現できると考えています。
次回は
シンクライアントの導入効果は、他にもあります。次回は今回の続きとして、ユーザの評価や導入の際のポイント、そしてシンクライアントソリューションの今後の展開について紹介します。
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著者プロフィール
TIS株式会社 小林 千恵
事業統括本部 産業第3事業部 基盤ソリューション部
オープン系システムのインフラストラクチャ設計・構築を経て、TIS社内における基盤フレームワークを策定。現在はシンクライアントをはじめとする基盤ソリューションのアカウントSE・プリセールス業務に従事。
INDEX
第1回:セキュリティ対策とTCO削減を同時に達成するシンクライアント
はじめに
なぜシンクライアントなのか
導入過程の取り組み