実践ムービーで身につくActionScript
ムービークリップの入れ子
Flashの特徴として、よく使うパーツを「シンボル」という形式にしてライブラリ化し、そのシンボルから生成した分身「インスタンス」を配置することで、使いまわすことができます。
シンボルの種類には「グラフィック」、「ボタン」、「ムービークリップ」の3種類がありますが、ActionScriptで操作するのは主に「ムービークリップ」になります。
ムービークリップは、独立した時間軸(タイムライン)を持っていることが特徴です。メインのタイムラインが停止していたとしても、ムービークリップ内のタイムラインを動かすことができますし、また逆にムービークリップ内のタイムラインだけを止めて、メインのタイムラインを動かすこともできます。
サンプル3のように、メインのタイムライン上で自動車を右から左へ動かします。そしてタイヤのみをムービークリップ化することで、自動車は横移動をし、タイヤは回転するといった独立した動きをつけることができます。
ムービークリップは階層構造(入れ子)を作ることができます。自動車というムービークリップの中に、タイヤというムービークリップを作り、さらにタイヤの中にホイールというムービークリップを作れます。このように入れ子の構造に複雑な動きをつけたり、それぞれが異なる時間軸で動かすことができます。この入れ子の構造をActionScriptで制御する場合には、ドットシンタックスをつないで「myCar.tire.wheel」という風に指定します。
オブジェクトとは
ActionScriptではムービークリップなどの取り扱う対象を「オブジェクト」と呼びます。オブジェクトの種類としては、ムービークリップやボタン、テキストフィールドなどがあります。そのほかにも時間や計算式、文字列、音などといった画面上に絵として表示しないものもオブジェクトにあたる場合があります。
オブジェクトはサイズや座標などの属性「プロパティ」を持っています。オブジェクトからプロパティを呼び出し、属性値を書き換えることで、位置などを変更することができます。こうしたプログラミング言語の概念を「オブジェクト指向」と呼びます。またオブジェクトに対して「メソッド」と呼ばれる命令文を指示することで、「再生/gotoAndPlay()」や「停止/stop()」といった動作処理を行います。メソッドとはムービークリップが実行できる機能のことです。