
【プロジェクト管理術】
現場発!DUNGEONテンプレート
第4回:要件をモレなくテストするテンプレート
著者:株式会社システムインテグレータ 山口 智也
公開日:2008/10/23(木)

シナリオとケースの作り方
筆者が初めて結合テストの仕様書を作成する際、何から作成してよいかさっぱりわからなかった記憶があります。そうこうしているうちに時間ばかりが過ぎ、焦りが募っていきました。今思えば、それは「シナリオ」と「ケース」をどう作ったらよいかピンときていなかったからでしょう。そこで、結合テストに出てくる「シナリオ」と「ケース」について整理してみたいと思います。
シナリオとは「受注業務」「発注業務」「請求業務」「支払業務」といった業務の単位と考えるとわかりやすいでしょう。その単位をシナリオとし、これが結合テスト仕様書の単位にもなります。またこれには通常、上流工程で作成した業務フロー図が対応します。したがってシナリオ=業務の単位=結合テスト仕様書の単位=業務フロー図の単位となるのが基本です。
また、ケースとはシナリオ内での場合分けと考えるとよいでしょう。例えば、支払業務を1シナリオとして結合テスト仕様書を作成したとしましょう。この場合、そのシナリオ内のケースとしては支払方法によって場合分けをすることができます。そうすると、支払方法のケースとしては、ケース1:振込、ケース2:手形、ケース3:銀行引落、ケース4:相殺のようになります。実際にはこれに部門などの条件も加わり、もう少し複雑なケースが作成されます。
では、「DUNGEON」テンプレートの「結合テスト仕様書兼報告書」を見てみましょう(図2)。結合テスト仕様書兼報告書のフォーマットは、
こちらからダウンロードできます(14042.zip/10.1 KB)。
タイトルには業務名が記されており、業務単位でのシナリオが作成されていることがわかります。また、シートが複数に分かれていますが、これらは上記のケースごとに1シートとなっています。つまり「DUNGEON」では1シナリオ=1仕様書、1ケース=1シートの対応となっています。
上記のような観点から、結合テストの準備で何をしたらよいか困った場合は、まずどんなシナリオを作成すべきか洗い出すために、業務の単位を並べてシナリオ一覧を作成することから始めるとよいでしょう。

(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
シナリオごとに概要を作ろう
「結合テスト仕様書兼報告書」は業務フロー図を元に作成します。結果、テスト自体も業務フロー図の手順にしたがって実施するため、この両者は密接に対応しています。例えば、業務フロー図に変更があれば、結合テスト仕様書も変更しなければなりません。
そのため弊社では、業務フロー図上にテスト内容を記入していき、それを出力すると結合テスト仕様書が作成されるといったツールを使用しています。残念ながら今回は実行環境などの問題でサンプルにできませんでしたが、機会があればぜひまた紹介したいと思います。
さて、「
第2回:要件と機能を簡潔に伝えるテンプレート」では工程においてドキュメントは正確さ細かさだけでなく、わかりやすさも考慮する必要があることを述べました。この「結合テスト仕様書兼報告書」も、その観点での工夫がなされています。表紙の次にあるシート「テスト概要」では、これから実施する結合テストの要点を記すようにしています。
具体的には概要説明、シナリオ内にどのようなケースがあるか、業務で使用する画面や帳票の一覧、その機能に実装されている内容などが記載されています。もちろん、「
第1回:要件と機能の関連を保つテンプレート」で紹介した「要件No」と「機能No」も記載されているため、トレーサビリティが確保され、その業務内で満たすべき要件をモレなくテストすることが可能です。このシート1枚があることで、テスト実施者は何をテストすべきかが短時間で把握することができ、テスト自体の効率および質が向上するのです。
続いて精度の高いテストケースを作成するための注意点と、結合テストの報告についてのポイントを説明します。
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